雇もれびの会 語る会 議事録 平成26年10月11日土曜日 アートリーフ風花

 

自己紹介

Aさん 非常勤公務員を退職。統合失調症だが、クローズで求職活動中。会の代表。5年前から雇もれびの会を開いている。

Iさん ケーキ屋で働いている。五年目。双極性障害の当事者で、当事者スタッフとして障がい者の指導も兼ねてやっている。

Kさん 障害者枠で事務の仕事をしている。統合失調症をオープンにした。現在の会社で4年目。以前は、清掃の仕事をしていた。

Mさん A型作業所で勤務。三年目一般就労に就きたいと話したら病院の事務があるよ、といわれるも障害年金を切られてしまうといわれ、迷っているうちに立ち消えになった。

Oさん 当事者ではなく基幹相談センターで勤務。障害者をオープンにするか迷っている人たちの存在を知った。雇もれびから会報を送ってもらった。いろんな人に知らせ、紹介させてもらおうと思っている。

U 初参加、インターネットで語る会のことを知った。

Tさん 病院で清掃の仕事をしている。今日も仕事を終えての参加。同じ境遇の人の話が聞きたかった。

Nさん 統合失調症、去年一度参加した。今回二度目の参加。ヘルパーの資格を取った。

今はパソコンを習うべきか迷っている。パソコンは基本操作しか出来ないが事務の仕事に就きたいので。

 

 

近況

M 親の勧めで、マイクロソフトのMOSの資格を取ろうかと考えている。親はパソコン使える。ユーキャンなどの通信教育でとったら?と勧められて資格の勉強を検討している。

N 私はホームヘルパーの資格を取ったけど、実務研修などを体験して体力的に大変そうな感じがした。肉体労働よりデスクワークが自分にはいいかと思っている。

主治医は障害年金の書類を書いてもいいが、最近まで普通にフルタイムで健常者と同じ条件で働いていたから難しいと言われている。

M 以前A型作業所内でカウンセリングを受けて将来の仕事のことも話したが、まず三年働いてみてからだ、と言われた。介護福祉士の免許を持っている。介護福祉士の資格もあって福祉の仕事をしていたが、辞めてしまった。次に面接を受けるときに退職理由をどう返答しようか、困っている。

S 面接のときは、厭になって辞めたというより、新しいことにチャレンジしたかったから次の仕事へ応募した、と答えればいいのではないか。

U 身体障がいの手帳を持っていて、身体障碍者枠での仕事を探しているが、なかなか仕事が見つからない。メンタルの障がいはあるが、精神保健福祉手帳も取るべきか検討中である。

A 身体障がいの就労状況の方が一般には、恵まれている。精神の手帳を重ねて取得するメリットは就労に関しては小さいのではないか。

 

U 質問なんですがA型作業所を探して働いてみてから一般就労をした方がいいのか、それとも一気に就労した方がいいのか?

O A型作業所は入所までに一カ月かかる場合もある。A型事業所など福祉サービスを受ける時は障害区分認定調査を行う。具体的には、基幹相談センターで聞き取り調査を行う。

「寝返りはうてますか?」などの質問も含まれており、三障がい共通である。精神障がいは保健所へ、身体障がいは区役所へ提出する。

 

 

 

■就労&雇もれびアンケート記入タイム

 

N クレーム対応の仕事で(電話)病気がばれてしまい、いじめを受け他の部署に異動させてもらった。一日黙々と作業を行う部署だったので精神的には楽だった。

M A型作業所の作業の一つでハウスクリーニングの最中に突然やる気をなくしたことがあり、体の動きが止まっていた。それを激しく注意されて、不安感や怒られる恐怖感が消えなくなってしまった。今はスタッフに伝え、その仕事からは、はずしてもらっている。「スタッフに伝えること」が自分に出来る工夫である。

N パソコン教室に通って仕事を見つけたい。過去にいじめにあったのでクローズにしたい。クローズで働くと自分の病気がばれないかとドキドキするし、今やっていることも変じゃないかと思ったりする。でも同じレベルで出来ない健常者もいるので安心した。

 

A 精神障がいは、目に見えないので身体障がいより分かりにくい。どう配慮してもらえばいいか、を具体的ぬ伝えることが、難しい。

K アンケートの「職場の人にどういうことに配慮してほしいか?」については不適応があると伝えている。その結果、毎日仕事を継続するという仕事の任され方をして、3年間つづけることができた。

T 私の困っていることは、忘れっぽいことだ。発病してからより忘れっぽくなった。大したことじゃないと思って、メモしないでおくと、完全に忘れてしまう。仕事についても派遣元にはオープンで派遣先にはクローズにしているので、気を付けたい。

N 私も病気になって以前より能力が落ちた。記憶力や判断力などが、低下した。それでもできる仕事を探して社会と繋がりたい。

 

A ところで、雇もれびのホームページやブログは読んでいますか?

T 読んでいない

S 読んでいないのでこれから読むようにします。

N いつも読んでます。更新を楽しみにしてます。

 

A  今後、雇もれびの会をどうしたいかについてご意見を聞きたい。

M テレビに出て欲しい(みんなで爆笑)

 

最後に一言

K いろいろな人の話が聞けて良かった

T  同じような境遇の人の話が聞けて仲間ができて良かった。

O 自助会には複数参加していますが、仕事をされている方が雇もれびは沢山いるので

仕事の相談なら雇もれび、と思っている。

 

 

議事録 2014年10月18日土曜日  場所 アートリーフ風花 14時~16時

 

 

今日の流れ

会の紹介

本間さんの紹介

講演

質疑応答

まとめの一言

寄せ書きと写真

 

雇もれびの会について

働く障害者と働きたい障害者のために六年前に立ち上げた

メンタルクリニックの主治医に「もっと患者を助けてあげて」と言われている。

毎週 土曜日に開催しているが、臨床心理士を招くのは初めて。

 

以前はサークル的な活動(例えばデコパージュ)などをやっていた。

どんなことで困っているか、何を知りたいかなど一般的なことを質問してください。

 

自己紹介

Bさん メンタルクリニックに通っています。今日は本間さんを質問攻めにして盛り上げよう!(笑)

Kさん 精神障害3級、障害枠で事務の仕事をしている。メンタルクリニックに通院している。その時、お世話になったのが今日講演をする本間さんです。

 

Gさん 就労移行支援で月曜日~金曜日まで通所している。本間さんとはクリエーターズマーケットで知り合いました。病状は安定しています。デコパージュをいろんな所で教えるなど、充実しています。

 

Sさん この会のために静岡から来ました。双極性障害です。ツイッターでこの会を知りました。

 

Hさん 私自身は当事者ではありませんが発達障碍の子供が二人います。上の子がアスペルガー症候群、下の子が自閉症です。本業は企画屋で、 A型B型作業所のコンサルティング事業を行うなど、福祉にも携わっている。

Tさん 高校から大学にかけて調子を崩しました。今でいう不安障害。対人恐怖症ですが当時は精神科にかかっても病気じゃないと言われました。ここ一年は体調は良くなりました。「愚痴カフェ」にも参加しています。今はようやく人並みに暮らしています。

 

Iさん 障害者枠で銀行勤務しています。3年経ちました。時給は850円ボーナスが2カ月分です。薬を朝飲むとだるくなるので夜に飲むことにしたら、少しマシになりました。今はデイケアのお世話になっています。

 

Mさん 一宮市から来ました。就労継続支援で三年働いています。病名は統合失調症です。引きこもりを経験し、今は一般就労に向けて格闘中です。

 

Rさん メンタルクリニックに通院しています。病名は双極性障害。一昨年から三年連続入院(一か月~二か月)していて波がありますが、理解のある職場で5年働いています。

 

続いて今日講演してくださる本間貴宣さん

33歳の臨床心理士ですが、今は心理士の業務から外れています。10年間デイケア、病院でカウンセリングを行ってきました。地域活動支援の生活訓練の業務に携わっています。

 

講演 「まず、僕が作ってきた資料をお読みください」

 

~精神障がいと付き合いながら就労する~

精神疾患を抱えながら「仕事をする」ことは簡単なことではありません。なぜなら仕事のストレスと戦いながら自分の精神状態や病状ともつきあっていかなくてはならないからです。しかし、「仕事とは、報酬、(金銭、生きがい、充足感など)をもらう代わりに脳と体を酷使すること」といっても過言ではありません。「精神疾患を付き合う」と言葉でいうことは簡単ですが、精神疾患をどのように理解して付き合っていけばいいのでしょうか?

注)以降資料をもとに本間さんが講演をしていく。以下略

 

講演が終わって

本間さん 仕事とは、ずっと我慢、頑張ること。障がいを持ちながら仕事をするのは大変ですよね(笑)。月曜日から金曜日までお勤めしたら、土日は休む。カラダに比べ脳を休ませる事が出来ない人が現代人には多くなりました。失礼ですが、精神疾患にかかっているみなさんも、脳を休ませる事が苦手な人が多いです。脳の休ませ方は、人それぞれです。例えばスポーツ、一方で「心地いい」という人もいれば「いや、心地よくない」という人もいます。ひとりひとりがそれぞれに違います。

 

「気持ちいい」、「心地いい」みなさんありますか?それをどれだけ増やすかが大事です。「ない」という人はそれを意識して探してください。生活の中に取り入れるといいです。例えば瞑想、ヨガ、音楽を聴くことです。ONとOFFの切り替えが大事です。

 

最後に一つだけ「考える」と「考え続ける」はどちらが大事だと思いますか?

 

Rさん 「考える」じゃないですか?例えばいやなことが起こったらいつまでも考え続けていたら負のスパイラルに陥ってますます悪くなる。

 

本間さん そうです。同じことを考え、悩み続けてしまってはよくありません。考えを止める方法が大事です。ヨガは体に意識を集中させて考えを止める方法です。

 

精神疾患について

本間さん ある日突然病気になるというのはないです。自分が不幸によって病気になったら自分を振り返ってみる

 

Hさん 精神疾患は脳の病気だということは理解出来ました。では、心と脳の関連性とは?

本間さん 脳も臓器のひとつだと思ったらいいのではないでしょうか?心はすべて体の一つ一つに宿っている。現代医学でも明確なことは言えない。心は遺伝子でも特定できない。僕らは心に支配されている部分が大きい。

 

Bさん 短期の記憶が弱い人がメンタルの薬を飲んでいる人には多い、ワーキングメモリーの機能が落ちると聞いたこともある。それを補うために「メモを取る」ということを習慣づけている。発達障碍との比較もしてもらいたい。

 

本間さん 発達障害は生まれつきの障害である。精神障害者のワーキングメモリーが小さくなるのは、メジャートランキライザーなどの薬の副作用もあります。一般的には、統合失調症は、知的障害はありません。ちなみに知的障害と発達障害の違いは、知的障がいというのはまんべんなく能力が不足した障がいであるのに対し、発達障害はできる事とできない事の差が得しく、一部分だけ能力が未発達な障がいです。別の部分については非常に優秀な部分もあります。

 

Sさん 発達障害の人は、病状が軽い人は自分がおかしいことに気づくことが出来るが重い人はわからない。どうすればいいのか?

クリニックに行けばいいのか。

 

Hさん どうやって娘を社会とつなげることが出来るか、残念ながら薬がないし、「人と会ったら挨拶をするんだよ」といって1ステップずつ教えなくてはいけない。年齢が一万年あれば正常になる(皆でうなずく)

お葬式で笑っちゃだめってことも教えないといけない。公園でごみを捨てちゃだめは、わかる。絵に描いて説明できるものは分かるんです。でも「がんばる」は絵に描けないからわからない。

Iさん 統合失調症は認知機能が低下すると言われるが、そうなのか?数学が苦手で、もともと悪かったけど薬でもっと悪くなった気もします。

本間さん 実は精神疾患って何一つわからず治療を行っているのが現実です。

ドーパミンとかセロトニンといった神経伝達物質の量も測ることができない。

たまたま、ドーパミンを調整する薬を処方したら、病気が改善されたという事実があるだけです。

 

Iさん あと年齢と病気の予後はあるか?

本間さん 統合失調症には①破瓜型、②緊張型、③妄想型、④不定型があります。20代前半までに発症する破瓜型は予後が悪く、30代40代に多い妄想型の方は予後がよい。発症が遅ければ遅いほど社会適応能力が身についているので、予後がよいです。

 

Sさん 双極性障害をよくするために必要なものはありますか?

本間さん 双極性障害の方は、一生懸命で打たれ弱い面がある。ありのままの生活をした方がいいです。アサーションの勉強をするのも良いです。

Bさん 遺伝について教えてください。

本間さん 遺伝の影響はあるとは思います。一卵性双生児の一人が発症するともう一人は50%の確率で遺伝します。父親が統合失調症になっても子供は統合失調症にはならない場合も多いです。

 

 

Iさん 認知を広げるためにはどういう工夫がありますか?

本間さん いろんなことから物事をとらえ柔軟性を持つことです。自分のメタ認知を考えてみるのを勧めます。それが認知している自分を認知するという捉え方です。それが出来ると自分が考えている自分について考えることができます。たとえば、上司に怒られて自分が落ち込んでいる状態について考えることです。

なぜ、怒られて落ち込むのか?

 

本間さん ご飯、お風呂の時、考える事をやめますか?

Iさん スクーターも乗っていると安らぐ。

Iさん この世の中の政治、市場原理主義などすべておかしい。銀行のシステムについても考えさせられる。

本間さん 相当恨みを持ってますね(笑)でも、もう僕ら毒されています。「こうしなさい」「ああしなさい」という両親からの躾や教育を受けています。大人になって無理して笑顔を作るようになっています。小学校以前に何が好きだったか、両親や先生に聞いてみるといいです。

 

Bさん 人にしゃべることが気持ちいい。

Iさん でも迷っている同士だと厳しいですよ。

Bさん じゃあ話して楽しい落ち着く人を見つけるとかはいいですか?

本間さん いいですね。

 

本間さん 脳内のネットワークは使えば使うほど太くなる。後ろ向きに考えがち人は、プラスに考える努力や訓練を何回も何回も繰り返す事です。ネガティブな事件があってもネガティブにとらえるよりポジティブにとらえる努力や訓練が必要です。

それから精神障害、発達障害の人はうまく伝える事ができない。うまく伝える様にトレーニングするべきです。そして向いている仕事より、やりたい仕事に就くことが一番いいです。

Gさん 人と長い時間、話しすぎるのですが?

本間さん 自分の中でもやもやを消化して整理出来るといいですよ。

まとめの一言

Gさん 専門的な話が聞けてよかったです。

Kさん 勉強になりました。

Rさん いつもの会もいいけど、本間さんの話が聞けてよかったです。

本間さん こういう会ってすごくいいなって思います。フィンランドのオープンダイアローグってよかったら調べてみてください。僕は将来的にはシェアハウスも作りたいと思っています。

あと寄せ書きと記念撮影を行い終了。

今回も実り多い雇もれびの会でした。ありがとうございます。

2014年11月8日(土曜日)語る会@アートリーフ風花

参加者S,T,B

自己紹介

S:職探しをしている。ハローワークで探して履歴書を送っている。面接までたどり着けない。障がいは統合失調症でクローズ。

T:金融機関で働いている。障がい者枠雇用。統合失調症。転職歴多い。

B:大手メーカーの工場で働ている。これまで転職が多かったが、今の仕事は気に入っている。発達障がい。障がい者枠。

 

語る会

大学には行ったが、文系で経済・法律を勉強してもコミュニケーション術がないと仕事でたいへん苦労する。特に20歳代で短期で会社を退職して正社員経験が少ないとのちに正社員になれず、転職にも苦労する。親世代とは社会の構造が違って派遣労働者などが増えている。発達障がいで派遣や非正規の職に就いていては、結婚も難しい。フリーターが増えている現実と非婚化は関係が深い。

営業職は求人があるが、難しい。大学職員はやってみたいが、求人が少ない。

 

発達障がいは継続的な障がいで一時的な病気ではない。主に、対人コミュニケーションが苦手で、相手の気持ちを理解できず、思ったことをそのまま口に出してしまう。

Q どんなところに気をつければいいか?

A 障がい者は不安や緊張が強い。精神障がいの場合、薬の副作用が強くて身体がだるくて生産性が上がらないこともある。発達障がいの私は、一社員ならできても、リーダーヤマネージャー的な仕事は無理だと思う。年齢が上がっても、周りが見えない、全体をつかめない、その仕事の全体の中での位置づけが分からないので。

A 聴覚過敏があるので、女子社員の声がうるさくて気になってしまう。人とのコミュニケーションよりも仕事に没頭すればいい、と言われても他人の声や存在が気になってしまう。かまってほしい気持ちも強い。そっと静かにしておいてほしいときと、かまってほしいときがある。一人で黙々とする仕事がいい。

A どんな仕事をするのか分からずに入ってしまってミスマッチすることが多い。自分に合った仕事を見つけることが大事。大手企業の障がい者雇用なら2年間は補助金が手厚いので、職場にいられることが多い。コミュニケーションが苦手なら苦手なりの選び方をすればいい。郵便局や公務員などがいいと思っている。

A 自分への肯定感が低いと、悩みやコンプレックスを抱えてしまう。

A ルーティンワークがいい。状況判断が出来ない。「言われる前に自分で考えろ」と言われるのが困る。一つの仕事が終わる前に途中で作業が変更になるのも嫌だ。

 

Q これまでクローズだった人が苦しくなってオープンにすることについて 

A 障がいや病気だと言ったら楽になれると思っているかもしれないが、迂闊に言っても「自分の仕事ができないのを病気のせいにするのか!」と叱責されたこともある。

Q 障がいをクローズにしてアルバイトすることはどうか?

A オープンにして障がい者枠を利用した方が2年間は在職できる。給料は安いが少しは安定するので、オープンを勧めたい。会社では「障がいがある方は申し出てください」と言われているが、一方で「隠したいならそれも結構です」というスタンスだ。

A 特に精神障がいについては刃物を振り回すような危険な悪いイメージがある。完全に偏見だが、現実に偏見はある。精神科についても独房的な場所に閉じ込めれる古いイメージがいまだにある。新しい精神科についてイメージアップが望まれる。

 

障がいをオープンにした就職活動フローチャート

 

1)就労支援施設に応募する

2)自分の病気や特性について知る

3)体調を管理して働ける状態に整える

4)履歴書や職務経歴書の書き方を訓練

5)メンタルクリニックの診断書(就労可能について)や障がい者手帳を用意

6)ハローワークの障がい者窓口に相談

7)障がい者求人検索機で検索

8)書類審査(障がいがあっても就労可能なことをアピールする)

9)面接(服薬していることを言う。幻聴やうつ状態などの波があることなど正直に言えることは言う)

10) 雇用スタート

 

障がいをオープンにした雇用継続マニュアル

1)身体障がい者と同時期から勤め始めると同期意識や配慮の面で有利。

2)支援機関やジョブコーチを使って自分のことを正確に伝える。仕事ができると伝えすぎても仕事が増えてしんどくなる。

3)声をかけて欲しい。ストレスなく働けるように配慮してほしい。

4)キツイ言い方はしない。社風が優しい感じだと居心地がいい。キツイ言い方ではへこんだり、逆上したりで伝わらない。

5)偏見を持たない。何とも思ってないにしても挨拶はしっかり返して欲しい。

6)体育会系や文化祭的な会社よりもメーカーのなどの方が落ち着く。

7)障がいのある方は申し出てくださいは有効。障がいがあっても雇う気があることが分かって安心できる。

8)出世させない。正社員にはなりたいが、マネージャー、リーダー役は難しい。

 

以上、ありがとうございます。お疲れ様。

2014年12月13日 障害者の就労体験を語る会 @アートリーフ風花(名古屋市東区葵)

 

参加者 S,K,B,G,N,O,M

 

自己紹介

 

K:障害者枠で事務員として勤務してもうすぐ5年目。障害は統合失調症。

B:若い時から、転職を繰り返していて38社に勤務した。最近では、クリーニング工場、運送倉庫業を経て、現在は大手メーカーの障害者枠の工員。

G:障害を知らないまま10年以上働いてきた。アスペルガー症候群。現在は、手帳保持者。工場勤務。

N:今回、初めて参加した。50代男性。28年間鉄工所で働いてきた。現在退職してスーパーマーケットの裏方のパート。双極性障害。(躁うつ病)

O:心理カウンセラーをしている。雇もれびの会と関わってちょうど一年になる。現在、引っ越しをしてバタバタしている。起業の準備をしている。

M:病院で清掃の仕事をしている。統合失調症。仕事は慣れて平穏に過ぎていく。ただ、休みが月に3日ほどしかないのが辛い。

S:非常勤の公務員を11年間していた。3月に退職して、自営の塾の準備をしてきたが、最近、学習塾でアルバイトを始めた。

 

会の説明

この会は、障害者が働く上での悩みやノウハウを共有するためにやっている。もともと5年ほどまえに、働いていた私に主治医が「もっと周りを勇気付けて欲しい」といわれたのがきっかけ。この場で話した内容はここへ来られない方への報告のため、また、社会へのメッセージを込めて、すべて筆記してブログにアップします。投稿してほしくないことは、できるだけ、隠して話すように、また、話してもアップしたくないことは、後から連絡をください。

今日の流れは、前半に、みんなの近況を50分ぐらい聞きます。その後、10分の休憩を挟んで、後半は新しく来たNさんの話を中心に聞きます。最後に、まとめの一言をみんなで言って終わりにします。

 

 

B:これまで、障害者枠の工員として袋詰めやシール貼といった簡単な作業を一人で黙々とやってきた。孤立しているが、望んでそうしてもらっている。これまでの職場では、仕事を覚えるよりも周りの人の評価や顔色が気になって仕事が続かなかった。ジョブコーチを通じて、人と関わらないでいい仕事の与え方をお願いしてきた。おかげで2年間仕事が続いている。自分では満足していた。しかし、今月初めに上司に呼び出されて「もっと仕事ができる人だと思うから、もう少し他人と関わる仕事もお願いします」といわれたので、、驚いて固まってしまった。最初は、不安だったが、2年間の仕事を認められたうえでの判断だと思い、ステップアップになるならチャレンジしようという意識に変わった。このまま

20年以上働きたいと思っている。

 

G:4年前に会社でアスペルガー症候群の疑いを指摘されていた。病院に行って診断も受けたが、会社にはオープンにできなかった。しかし、手帳を取得するにあたって、会社側にもオープンにした。病院ではアスペルガーの診断とともに、軽い鬱状態にあると言われ服薬している。その薬のせいか忘れっぽくなった。職場で話せる人がいない。自分の世界に閉じこもっているとよく言われる。工場長には怒鳴られてばかりいる。大事な話をしたくても取り合ってもらえない。

 

O:発達障害とは、本人に発達のデコボコと環境への不適応が組み合わされて起こる。どんなに発達に偏りがあっても、その人にいい環境があれば社会に貢献する仕事ができる。そのことを大阪の発達障害のグループの冊子で啓発された。

 

G:フォークリフトの運転も普通自動車の運転もできる。しかし、職場で他人のフォークリフトに轢かれて、足を骨折したこともあり、危険な職場だ。障害者手帳をもらって社長に話したが、解雇はされないが、健常者と同じように配慮なく扱うと言われてしまった。

 

B:職場で荒っぽい言い方をされると苦しい。ジョブコーチを頼んでもそうしたタイプの人間にはわかってもらえない。障害者っていうのに甘えている、言われて「どこが障害なんだ?」と理解してもらえない。また、偏見もきつかった。無視されたり、舌打ちされたりした。

 

G:工場長には、「お前には判断する力が足りない」と言われている。

 

B:身体障害者は「かわいそう」「気の毒」とか「頑張ってるな」といわれるが、私のような発達障害は「仕事のできないただのバカだろ?」という言い方をされる。「養護学校行ってたの?」というような無理解もあった。

 

 

G:優しかった同僚が、「早くしろ」と怒鳴るようにいうようになった。10年間それでもやめなかったのは、「どこへいっても人間関係は同じ」という思いがあったからだ。また、職場でも「休むな」とは言われているが、「早退ならいい」といわれている。最近は、鬱状態が現れたり、耳鳴りがする。聴覚過敏がある。

O:食べていくためには耐えることも必要だと思う。

 

B:発達障害の自助会に行ったことがあるが、自分が話したい人ばかりで聞き役がいなかった。ADHDは落ち着きがなくておしゃべりなのが特徴だ。発達障害者のなかでも先輩面して偉そうにしている態度がいやだった。

 

O:そういう時は世話役やファシリテーターが、「ちょっと待って」と止めることも必要だ。

 

B:身体障害者と同期入社だったのが、本当に良かった。その人は事故で障害を持ち、車いす生活になり、7年ぶりに職を得たという。ネガティブな弱音を吐かない。車いすでも他人に仕事を手伝ってもらうことは望んでいない。忘年会はその人と話せて、心が明るくなった。自分の生きづらさを理解してくれていた。

20歳のころは周りの同年代がみんなすごく大人に思えて怖かった。40歳を超えた今になってようやく大人になれた気がする。発達障害は発達が遅れて幼く見えて年齢相応の振舞ができないが、遅くても発達し続けることが特徴だ。

職場での人間関係も「逃げてちゃ変わらない」と今では思えるようになった。全員に好かれようとしては疲れてしまう。不安神経症的なところもあった。いい人でいようとする気持ちが強すぎたと思う。

 

G:同僚で、仲の良かった人が退職して辛かった。今いる人は「だらだらやってんじゃないぞ」と怒鳴る人ばかりだ。

 

 

初めて来た人の話

 

N:心を病む人は性格的に優しい人が多い。そのため精神的に追い詰められる。自分の場合は、自分の仕事が順調な時は人一倍仕事をしたが、苦境に陥ったときのストレスで鬱になった。それは、躁と鬱のサイクルだと気づき、退職した。今はスーパーマーケットでパート社員として働いている。週に3日、一日5時間ぐらいで、体調がよくなった。今になって同年代のシャカリキに働いている人をみると「なんのために働いているか」と考える。生活を楽しむために働くのであって体を壊してまで働く意味はないと思う。会社にいると過剰に働かされる。健常者でも会社のいいなりに仕事していると体を壊す。

今の仕事について、収入以外は満足している。特に、パート社員とはいっても社会人経験が長く、若い学生にアドバイスしたり、主婦のパートへ仕事の割り振りを担当したりという仕事もできている。時給は低くても、学生や主婦と補い合って助け合っていることでモチベーションを高く維持している。

 

昔のサラリーマン、特に銀行員は、滅私奉公のように遅くまで働いていた。今は、定時退社も当たり前になりつつある。障害者が非正規社員としてその分をカバーしているのかもしれない。仕事は毎日全力で働いてはいけない。常に7分の力を出していれば十分だ。サラリーマン時代に人より仕事が出来ると思ってどんどん増やしたが、それは、一種の躁状態だった。頑張りすぎてしまった。会社を退職して仕事が見つからない時期が数年あり、どん底の気分だった。今は仕事があり、賃金以上に満足している。

全国展開しているスーパーは資本がしっかりしており、障害者にとって働きやすい環境だ。周りにも勧めている。多種多様な仕事があり、適材適所が行われている。また、慢性的に人手不足で就職しやすい。

スーパーの仕事は自宅に近いというだけで雇われやすかったし、働きやすい。就労継続支援A型で働くことも考えたが、仕事へのモチベーションを考えると障害者枠で、一般企業での就職を選んだ。

 

O:引きこもりやニートは甘やかす親の責任もある。家事をしたり、役目を持たせるといったことで自信を取り戻してほしい。介護の仕事も慢性的に人手不足で、就職しやすい。ただ、チームプレイが必須だ。一人にかかる負担が大きい。人の体に触れられるという癒しがあるので、一部の人には向いている。

 

 

最後に

B:今後も雇もれびの会に来たいと思う。

O:愚痴カフェを開催している。ミニレクチャーを取り入れたワークショップ形式だ。自分の得意分野を参加者に教えることで講師が元気になる。これは、交流分析から編みだした自信を取り戻す最良のプログラムのひとつだ。元気のない人が会に来て元気になって帰ってもらいたい。

M:この会の忘年会を開きたい。

S:今度の12月23日にクリスマス会兼忘年会を開くことにします。1000円の会費と食べるものを持ち寄って楽しみましょう。23日2-4時で。アートリーフ風花でお酒も少し飲めるようにします。楽しい会にしましょう。

今日はありがとうございます。